パプア・有機ココア生産コミュニティ訪問記2

ケーロム県ウェンビ村訪問

二日目(11月22日)にはケーロム県庁を訪れ、ユスフ・ワリー(Yusuf Wally)県知事と会見しました。

ケーロム県知事との会合ユスフ・ワリー県知事

ケーロム県知事との会合

県知事は「これから5年、10年先、パプアでは確実に開発が進みます。その変化の中で、パプアの人びとが生き続ける基盤になるのが、カカオです。パームオイルは外部の企業家のものです。カカオこそが民衆のもので、将来を豊かにするものです」と発言し、カカオ生産支援の意欲を見せました。

村への訪問を先導する警察の車両今回訪れたウェンビ村はパプアニューギニアとの国境沿いにあります。1980年代、ここに国営の大規模パームヤシ農園が開発されました。狩猟・採取で生きてきたパプア先住民はその広大な居住圏を大幅に失い、自由に森を駆け巡る生活もできなくなりました。

さらに、パプアの独立を警戒するインドネシア政府は国境付近を中心に大規模に国軍部隊を配置しています。世帯数100にも満たない小さな村でも陸軍特殊部隊や陸軍戦略予備軍が駐屯しています。地元先住民は独立運動に加担しているとレッテルを貼られ、国軍・警察の弾圧の犠牲者になった人々も少なくありません。国境沿いはパプアの中でも人権侵害多発地帯です。

今回村を訪問するためにも参加者の顔写真などを警察に提出し、事前に訪問許可を取らなけれなりませんでした。当日村を訪れた際も、前後10台を超す警察や軍の車が前後固める中の移動となりました。

カカオ畑を視察見渡す限りのパーム農園の中を延々と進み、やっとウェンビ村に着きました。バスを降りたらすぐに道の脇にあるカカオ畑に通され、政府役人や治安当局の人間にぐるっと囲まれた中で、畑の持ち主にカカオの話しを少し聞くことができました。村人とAPF参加者のコミュニケーションはとても限られたものでしたが、村の人々はAPFの一行が訪れたということだけでも大変喜んでくれました。

村での滞在時間は30分にも満たなかったでしょう。またそそくさとバスに乗せられ、県知事主催の交流会が行われる町中のカトリック教会に向かいました。
そして、そこでAPFの一行を待っていたのは…

藤田APF会長(大地を守る会代表)

挨拶する藤田APF会長(大地を守る会代表)

村人たちによる踊りでした。炎天下の中、小さな子どもからお年寄りまでがAPFの一行を迎えてくれました。

教会に集まった人びとはAPFの紹介に真剣に耳を傾け、ここでもヤニム村と同様に村の生産者から発言が相次ぎました。
発言するカカオ生産者
生産者からは「私の希望は3つ。カカオを直接日本に輸出する、政府には仲買人に振り回されないように政府基準価格を設定してもらいたい、APFには継続的な支援を期待したい」と発言がありました。

ウェンビ村での会合APF堀田事務局長は「私たちは商品の買い付けに来ているのではありません。カカオの豆を売るだけではなかなか経済を組み立てていくことは困難です。私たちはみなさんがここにチョコレート工場を作って、自分たちの自立のための基盤が作れることを願っています」と発言。パプアの村人からは大きな歓声が上がりました。

パーム農園に土地を奪われ、治安当局の弾圧に晒され、自分の土地に住みながら安心して生活できない、自由に生きれない。そんな生活をしているのが、国境沿いのパプア先住民です。彼らにとって、今唯一の現金収入となっているのがカカオです。今回訪れた村の生産者は、「わたしはカカオで生きていく」ときっぱり言いました。

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